montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ザ・ビートルズ 1962-1966 (2020―5)

f:id:montana_sf16:20210629141455j:image💿️The Beatles - 1962 - 1966 "The Red Album" (1973) - YouTube

ビートルズの「赤」です。赤盤と一般に言われているようですが、学生時代 自分らの学校ではただ単に「赤」と呼んでました。1973年に発表されたビートルズ初のベスト・アルバムは2枚組が2種類と、ポピュラー音楽史を変えた巨人ビートルズならではの仕様でした。発表された時は、すでに洋楽を聴き始めた頃でした。もちろんビートルズはすでに解散してしまってたけれど、洋楽入門はビートルズからというのが一般的な時代でした。そんな自分たちの世代にとって、これはまさにバイブルでした。つまり『赤と青の聖典』です。リアルタイム・ビートルズ世代とは言えないまでも、自分らの目の前にはビートルズの全213曲が突如現れたようなものですから、まだまだ贅沢品だったLPの中からどれを買うか悩ましいところです。そこに救世主として現れたのがこの「赤と青の聖典」と言うことになります。もちろん両方とも買うという贅沢はなかなか出来ませんから、どちらか一つ。なので時系列順として、まずは「赤」を買いました。ま、当時のシステムとしては、「赤」を持っていれば、「青」を持っている友人と貸し借りができる。そうして「赤と青の聖典」こそがビートルズだということになりました。そんなわけで、オーディオマニアでもある実兄の協力も得て、後々には大人買いビートルズ全14作品を所有しているにもかかわらず、画竜点睛のために「赤」と「青」を買ってしまいました。つまりこれでようやく枕を高くして眠れるというものです。世代的にピンポイントで思い入れの深いベスト盤です。「赤」は正式には「1962-1966」となっている通り、1962年のデビュー曲「ラヴ・ミー・ドゥ」から1966年の「イエロー・サブマリン」まで、アルバムでは「プリーズ・プリーズ・ミー」から「リボルバー」まで、ビートルズ史的にはツアーに出ていた時代の作品で出来ています。ビートルズがデビューして世界中を熱狂の渦に巻き込んでいった時代の記録です。「プリーズ・プリーズ・ミー」から「シー・ラヴズ・ユー」、「抱きしめたい」といった初期ビートルズを代表するシングル・ヒット曲が満載されています。とにかく勢いがあります。その勢いを重視して選曲にあたったことは、意外なことに名盤中の名盤「リボルバー」からは「エリナー・リグビー」と「イエロー・サブマリン」の2曲しか選ばれていないことからも分かります。ややこしい曲は外すということで、「トゥモロー・ネバー・ノウズ」は選外です。代わりに「ラバー・ソウル」からは6曲も選ばれています。音の実験は始まり、革命的ではあるものの、後の水準からすればまだまだあからさまではなく、ごく初期の頃と地続きであることが分かりやすい。「赤」にふさわしい選曲だともいえます。

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それにしても、改めて聴いてみると、曲がいいだけではなく、時代を感じる録音技術であるのに、イヤそれだからこそ一層のことビートルズの演奏がいかにアイデアに満ちていて、工夫されているかよく分かります。たとえばポール・マッカートニーのベース、全く恐ろしいです。このアルバムは全世界でゆうに1000万枚を超える売り上げを誇り、日本でも100万枚近くを売り、アルバム・チャートでも1位に輝きました。後にさまざまなベスト盤がでますけれど、この作品は初期ビートルズの代表作として君臨し続けることでしょう。

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※参考 ⇒ザ・ビートルズ 1967-1970 (2020―5) - montana_sf16’s diary