montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

フランク・ザッパ  マザーマニア (2017-1)

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💿️Mothermania - YouTube

新年あけましておめでとうございます。今年も続けていきたいと思いますので、お付き合いいただけると幸いです。皆様にとって、幸多い年になることをお祈りしています。新年一発目はフランク・ザッパ行きます。フランク・ザッパマザーズ・オブ・インヴェンション初のベスト・アルバムです。マザーズの最初の三枚のアルバムから選曲された初期のものですが、ザッパ先生の公式ベスト・アルバムが次に発表されるには実に28年も待たなければなりませんでした。しかも、この作品は2009年にダウンロード販売されたものの、CD化されたのは2012年になってからで、ザッパ先生の公式アルバムとしては最後にCD化されたことになります。ベスト盤が最後というのも面白い話です。というのも、この作品の発表はレコード会社ヴァーヴとの契約を終わらせるために合意された条件の一つだったとのことで、ザッパ先生は本作の版権には無頓着だったからです。全世界のファンの待望久しかった作品がようやくCD化されたのは嬉しい限りです。この頃、マザーズ自身は係わっていない彼らのベスト盤が何と11種類も発売されていたのだそうです。「マザーマニア」の制作はそれに対抗する試みでもあったようです。後の「ビート・ザ・ブート」シリーズと同じ発想です。もちろん単なるベスト盤ではありません。全部で11曲収録されてますけど、このうち5曲は新しいミックスが収録されていますし、「コール・エニイ・ベジタブル」は比較的大幅な編集がされています。

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ざっくりいうと、「フリーク・アウト」からの楽曲はステレオでのミックス違い、「おかしな世界」はモノラルのミックス違い、「自由な世界」からの曲は「コール・エニイ・ベジタブル」を除いてオリジナル通りとなっています。さらに「フリーク・アウト」では「ヘルプ・アイム・ア・ロック」の一部だった「イット・キャン・ハップン・ヒヤー」がここでは独立した楽曲として収録されています。後に「フリーク・アウト」の決定盤では、「マザーマニア」を踏襲して別曲とされました。「フリーク・アウト」楽曲の新ミックスは、オリジナルが時代を感じさせる録音だったのに対し、やや時代を下って洗練された音になっています。この印象が全体を覆っていて、オリジナル通りの曲まで何となく新ミックスのような気になるのが面白いところです。デビュー作の一丁目一番地に置かれていた「ハングリー・フリークス・ダディ」が10曲目に登場するなど、ザッパ先生が指定した曲順は何だか新鮮に響きます。3枚のアルバムは随分と感じが違いますが、ここではそう感じませんから、選曲と曲順にはこだわったのでしょう。曲の方は何をかいわんや、いずれ劣らぬ名曲揃いですから、ハズレはありません。むしろ、細かなミックス違いを聞き分けようとするマニア心に火がついて、ゆっくり聴いていられないので、それがまた変な感触を生んでさらに面白い。好循環なのか悪循環なのか。それにしてもこのジャケット、汚いです。ここまでむさくるしい男たちの写真を見たことがあるでしょうか。とはいえ、このむさくるしさがマザーズ・オブ・インヴェンションの愛すべきイメージです。彼らのベスト・ショットで彩られているとは、まさにベスト盤に相応しいです、