montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ジョン・コルトレーン 至上の愛 (2012-9)

f:id:montana_sf16:20230716235209j:image f:id:montana_sf16:20220717224439j:image💿️John Coltrane - A Love Supreme [Full Album] (1965) - YouTube

クラシックやらロックやらフュージョンやら、あれこれと節操なく聴き漁ってきた自分にとって、一番近寄りがたい存在が「ジャズ・ファン」でした。つまりその独特の空気感というか?生半可な知識で近づくと怒られそうでした。中でも、ジョン・コルトレーンのファンはとりわけ恐ろしかったです。マイルス・デイヴィスのどこか親しみやすい風情とは異なっていました…😓💦、当時ジャズに関しては、まだまだ かけだしでしたから勝手に使っても良いものかどうか迷いましたが、ジョン・コルトレーンの愛称は「トレーン」です。|д゚)チラッ💦 チト怖いですが、今回は使ってみることにしましょうか…。トレーンは、1957年に神の恩寵によって、魂の覚醒を経験します。ま、元の言葉で言えば、スピリチュアル・アウェイクニングです。これは、このアルバムの内ジャケに自らが記している言葉ですから、間違いありません。魂の覚醒によって、トレーンは、より豊かで、より充実して、より生産的な人生に導かれました。すべては神の恩寵です。そうして彼は、音楽を通して人々を幸せにできる方法と特権を神に乞い求め、それが与えられたのです。このアルバムは、そんな神に感謝するために制作されました。私事ですがその昔、新宿歌舞伎町に「てんとう虫」というジャズ喫茶(←🍺🍶ほぼ酒類中心)がありまして、何度か通いつめ、ようやく「ジャズ・ファン」なる人々の仲間に入れてもらえましたところ。まあ、居るわ居るわ何とも多岐に渡る人たちに驚かされまして、芸能人(役者さん)はもちろん、某国立大の教授やら、なかにはお坊さんでもないのに佛教大学出身の人やら、つまり、いかにも「ジャズっぽい」人たちの坩堝のようでした。神道から仏教、キリスト教イスラームヒンズー教と、ほぼ全ての宗教の先生が揃ってました。ま、おかげでいろいろと勉強はさせてもらいましたけど…🤭

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宗教を音楽で表現することは、昔から行われています。キリスト教もそうですが、イスラムでもヒンディーでも同じ。トレーンの音楽も同じように理解できそうです。しかも、百千万の言葉で神を語るよりも、こうして演奏だけでピュアな神への感謝を表現するのは、より純度の高いものです。演奏は、トレーンのテナー・サックス、マッコイ・タイナーのピアノ、ジミー・ギャリソンのベース、エルヴィン・ジョーンズのドラムスのカルテットによります。トレーン覚醒後の道行きを共にしたグループです。さすがに恐ろしいまでの充実ぶりです。アルバムは組曲になっています。一応、4部からなりますが、全体で30分強と短いですし、テーマがテーマなだけに、通して聴くしかありません。実に濃厚な演奏が全編に渡って繰り広げられています。中山康樹さんは、「4人が一体となって繰り出すサウンドはあくまでも重心低く、8本の足と大地に隙間がない。いわば根が張っている状態。」(ジャズの名盤入門)と表現されています。この表現には唸りました。全くその通りです。息詰まるほどの濃密な時間が流れていきます。ところが、一方で、とても親しみやすいメロディーが随所にあるので、何度も聴いていると、自然に口をついて出てくるようになります。唯一のボーカル・パート、♪あ、ラーヴ・シュープリーム♪のところなどは、ちょうど歩くリズムにもあうので、街を歩きながら無意識に口ずさんでしまったり。トレーンの渾身の一作は、素晴らしいジャズ・アルバムになりました。しかし、神やら宗教がかったりすると鬱陶しいと敬遠する方もいらっしゃいますが、「神」そのものはあまねくいらっしゃいますから、そんなに構えず、耳を傾ければ良いかと思います。とにかく素晴らしい音楽です。あ、あと、最後に余談としてひとつ。LPの紙ジャケですが、背表紙が「デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン」となっています。間違いなので、当時メーカーは交換も受け付けていましたが、期間限定だったので逃してしまいました。ま、これもご愛嬌ということで…🙄

A Love Supreme / John Coltrane (1964)