💿️Santana full album from 1969 (by Carlos Santana) - YouTube
カルロス・サンタナにも若い頃があった、当たり前のことですが、意外と老けないカルロスの大御所ぶりを見るにつけ、若い人には驚きの事実かもしれないなと思います。そのカルロス率いるサンタナのデビュー作が本作です。当時カルロスは22歳でした。発売当時を再現したタスキには、「ラテン・スタイルのパーカッションに強烈なビート、全米に吹き荒れるサンタナ・サウンド、火を吹くラテン・ファイヤー」と書かれています。1970年前後の言葉遣いが懐かしく、特に「火を吹くラテン・ファイヤー」が気にいりました。サンタナのサウンドは当時ラテン・ロックと言われました。バンド編成は、ベース、ギター、キーボード、ドラムのロックの標準的な構成にコンガやディンバレスを叩く二人が加わっていて、総勢6人、うち3人がパーカッションという珍しい構成です。ラテン・ロックとは大雑把な言い方ですが、当時、日本ではラテンは比較的身近な音楽でした。ロックよりも身の回りにあったと思います。今と違って、昔はテレビの音楽番組ではスタジオに陣取るビッグバンドがすべての歌手の伴奏をしたものです。そんなバンドの多くはラテンの感覚を取り入れていました。東京キューバン・ボーイズなどは名前もそうですし、「夜のヒットスタジオ」でおなじみラテン顔のダン池田とニューブリードなどなど。その縁でラテンのリズムやパーカッションの音色は結構耳になじんでいました。その分、おじさんの音楽というイメージもあり、サンタナのサウンドを当時の言葉でいう「ニュー・ロック」的ではなく、「大人の音楽」として捉えて、一線を画した対応をしたものです。「それほど好きじゃないけど、音楽的には優れている」な、と自分は評論していたんです。←エラソーに😜💦、
🎦Santana - Soul Sacrifice 1969 Woodstock live concierto HQ - YouTube
🎦Santana - Evil Ways 1969 "Woodstock" Live Video Sound HQ - YouTube
そんな懐かしいことを思い出しましたが、長じてそういう偏見がなくなり、改めて聴いてみると、新しいサウンドを作っているという自負と勢いが随所に感じられる傑作であることが分かります。アフロ・キューバン・サウンドとロックの融合は見事に達成されています。サンタナはデビュー前からサンフランシスコ界隈ではその圧倒的なステージでの演奏で有名でした。「サンタナのセットについて言えば、完ぺきであったということをのぞくと、言及すべきことは非常に少ない」とまで評されています。メンバー一体となった演奏はすでに完成されており、特にインストゥルメンタル作品は素晴らしいです。本作では名曲「ソウル・サクリファイス」がやはり最高です。ボーカル曲はヒットした「イヴィル・ウェイズ」のキャッチーなタッチがいいです。ただし、中村とうよう氏は「あまりにもカッチリとまとまり過ぎていることに一抹の不満がないでもない。ラテン・ロックの優等生みたいな模範的演奏であり過ぎる」と評されています。この指摘には同感しないではありません。というのも、紙ジャケ再発でボーナストラックとして収録されているウッドストックでの素晴らしいライブ演奏がスタジオ盤を凌駕しているんです。スタジオではやはりまだ大人しかったということなのではないかと思います。カルロスも若かった。
参照:NMM70年3月号
Santana / Santana (1969 Columbia)