💿️Marvin Hamlisch – The Sting (1974) – Soundtrack - YouTube
これまた忘れられない映画です。たぶんこの頃の映画はほとんど全部見たと思います。「ロードショー」や「スクリーン」なども買っていたほど映画好きでした。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの名優コンビにジョージ・ロイ・ヒル監督という「明日に向かって撃て」で大成功した面々が再び顔を合わせて制作されたのが、この「スティング」です。1930年代のアメリカで繰り広げられる二転三転の騙し合いには感動すら覚えたものです。ラスト・シーンの驚きは今でも忘れません。何とも痛快で胸がすく展開でした。ころっと騙された素直な自分でしたwww🤭 このサウンドトラックもまた大ヒットしました。ここで大々的にフィーチャーされているのは、19世紀終わりにアメリカで活躍したラグ・タイムの元祖スコット・ジョプリンさんの楽曲です。この映画が発表された当時はアメリカで熱狂的なジョプリン・ブームが起こっていたそうです。もともとスコットの楽曲を使うアイデアはヒル監督のものでした。子どもに聴かされて、その美しさにはまった監督は、無謀にも自分で演奏しようとしましたが、ちゃんとしたピアニストに任せた方がよいことに気づき、マーヴィン・ハムリッシュさんを音楽監督に起用しました。ハムリッシュ作の曲も4曲ありますし、メリーゴーランドの音楽なども入っていますが、大半を占めるのはジョプリンの楽曲です。
💿️The Sting Theme (Joplin - The Entertainer) - YouTube
とりわけ有名なものは「エンターテイナー」でしょう。映画のことを知らない人でもこの音楽は知っているはずです。ここではオーケストラ・ヴァージョン、ピアノ・ヴァージョンともう一つクラリネットとピアノのヴァージョンが入っています。元祖はピアノですけれど、オーケストラもなかなか素敵です。他にも「ソラス」や「パイナップル・ラグ」など、どれもラグの父に相応しい楽曲です。ラグ・タイムは、佐藤秀樹さんのライナーによれば、「ジャズを形成する要素のひとつとして19世紀末、黒人の中から起こったピアノ音楽で」す。「即興演奏によらず、あくまで譜面に書かれた音楽である点が特色」です。譜面がありますから、こうしてクラシックのように再現することが可能なわけです。ハムリッシュさんが作曲した楽曲も、ジョプリンの楽曲と並ぶことを強く意識していますから、サントラを通して聴いても全く違和感がありません。ラグタイムが1930年代のアメリカの白人社会とどういう相性だったのかは分かりませんが、この作品のおかげで、その時代のバックグラウンド・ミュージックとなりました。時代を代表する音のような気がしているわけですネ。飄々として美しいラグタイム音楽はこの映画に焼き付けられることで、より普遍的なものになり、永遠の生命を得たとも言えます。映画が、この音楽が本来持っている力をより広く広めたことは間違いありません。
🎬️The Sting | Paul Newman Cons a Con Man in a High-Stakes Poker Game in 4K HDR - YouTube