montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ディープ・パープル 詩人タリエシンの世界 (2011―7)

f:id:montana_sf16:20230817200122j:image💿️Deep Purple - The Book Of Taliesyn - [Full Album] - 1968 - YouTube

ディープ・パープルと言えばハード・ロックの帝王です。自分にとってのパープル初体験はNHKNHけーのヤング・ミュージック・ショーでした。ギターを歯で弾いたり、背中で弾いたりするリッチー・ブラックモアはカリスマでしたし、イアン・ギランのシャウトするボーカルは、洋楽を聴き始めたばかりの中学生には異次元の世界でした。これは聴かねばならないと、なけなしのおこづかいを握りしめて、ウエノ・レコード店に走りますと、店にあった唯一のパープルのレコードがこれでした。何の疑問も抱かず、買って帰りますと…。あれっ?、あれれっ?、何だかおかしいな?🤔 と思う間にA面は終わり、B面に至ると、「シールド」とか「聖なる歌」(ビデオの曲)が出てきて、「なんじゃこりゃあ!」と、思わずステレオをひっくり返しそうになりました。可哀そうな自分…😢。それもそのはず、テレビはハード・ロック路線に転化した第二期、こちらはサイケデリックな第一期、全然違いました。ところが、さすがは中学生です。LPなんてまだまだそんなに持っていませんから、気を取り直して一生懸命聴きました。その結果、第二期以降よりも、この第一期が好きになりました。このアルバムは、前作からのシングル曲「ハッシュ」がミリオン・セラーを目前にする大ヒットとなったことから、米国テトラグラマトン・レーベルが25万ドルもの大金を前金としてバンドに渡し、USツアーまでに作るようにせかされて制作されました。~続⤵️

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f:id:montana_sf16:20230817202639j:image f:id:montana_sf16:20230817202349j:image f:id:montana_sf16:20230817215600j:image🎦Deep Purple - Wring That Neck (Live in the recording Studio, 1968) - YouTube

🎦Deep Purple - Hush (Original Film Clip, 1968) - YouTube

モチーフはヨーロッパ中世の宮廷詩人タリエシンの七つの世界ということで、後のブラックモアズ・ナイトに通じるところもあります。バラエティに富み過ぎているところも若気の至りっぽくて、とても素晴らしいと思います。エルビスの出来そこないのようなロッド・エヴァンスのボーカル、結構印象的なフレーズを奏でるニック・シンパーのベース、三つ子の魂百までではないですけど、よおく聴いてみるとハード・ロック全盛時とあまり変わらないリッチーのギター、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラ」やらチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」を持ってくるクラシックなオルガン奏者ジョン・ロードのセンスといい、どれもなかなか素晴らしいです。リッチーとニックのハード・ロック志向と、ジョンのクラシック志向とが、うまい具合に混ぜ合わさっていて、面白いんです。ま、そこがとっちらかったアルバムという評価にもなるわけですけど。イギリスでは相変わらずちゃんとしたプロモーションもされず、中途半端な扱いのままでした。このアルバムもイギリスでの発売は随分遅れましたし。確かにプロモーションしにくいバンドの方向性ではあったと思います。ところで、植草甚一先生は、結構この第一期ディープ・パープルを評価していらっしゃいます。この作品を評して、「かりにジャニス・ジョプリンのように自己忘却的な型破りな歌手が、このグループに加わっていたとしたらどうなるだろうか」と書かれています。凄い慧眼です。

The Book Of Taliesyn / Deep Purple (1968)