montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ヘンリー・マンシーニ ピンクの豹 (2019-3)

f:id:montana_sf16:20240416121514j:image f:id:montana_sf16:20240416122038j:image💿️Henry Mancini – The Pink Panther (1963) – Soundtrack - YouTube

抜き足差し足で忍び寄る場面のBGMとして、最も使用頻度が高いと思われるのが、ヘンリー・マンシーニの「ピンク・パンサーのテーマ」です。1963年に誕生してから半世紀以上たった今でもその鮮度は失われていません。これはホント恐ろしいことです。「ピンク・パンサー」、邦題「ピンクの豹」は1963年に制作された映画です。監督はブレイク・エドワーズです。エドワーズは1961年にオードリー・ヘップバーンの「ティファニーで朝食」、翌年に「酒とバラの日々」を監督して、一躍有名になっていました。ピンク・パンサーは物語の中心となる大きなダイヤモンドの名前です。このダイヤモンドの中にピンクの豹が浮かび上がることから付けられました。このピンクの豹は今に至るも人気の高いアニメーションとして効果的に描かれました。映画自体はダイヤモンドを巡るロマンありサスペンスありのコメディ映画で、主役はデヴィッド・ニーヴンクラウディア・カルディナーレです。クラウディアは当時、ブリジット・バルドーのBBに対してCCと呼ばれていたセクシーな美人女優さんでした。しかし、狂言回し的な役割で描かれたピーター・セラーズ演じるクルーゾー警部が主役も霞むほどの大好評をもって迎えられました。その結果、スピンオフ作品として「暗闇にドッキリ」が制作されますし、後に続々と後継作品が登場することになります。本作品のサウンドトラックはヘンリー・マンシーニが担当しました。マンシーニエドワーズの「ティファニーで朝食を」や「酒とバラの日々」も担当しており、どちらの作品においてもアカデミー賞の歌曲賞を受賞しています。二人の相性はばっちりです。

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f:id:montana_sf16:20240416195631j:image f:id:montana_sf16:20220908065350j:image🎦Henry Mancini 映画 「ピンクの豹」 Theme From The Pink Panther - YouTube

マンシーニサウンドトラック・アルバムを作る際には、フィルム用の録音とは別にサントラ用にアレンジを施して、音楽アルバムとしてもしっかりとまとまりのあるものにするという実に丁寧な仕事をしています。映画に依拠せず、音楽だけでしっかりと立つ。「ピンクの豹」も例外ではなく、冒頭の「ピンク・パンサーのテーマ」から最後のラグタイム風の「シェイズ・オブ・セネット」に至るまで、隙のないまとまりのある作品となっています。全部で12曲、ラウンジという言葉が似合うゴージャスなサウンドが繰り広げられます。もちろん最も有名なのは「ピンク・パンサーのテーマ」で、マジカルなサックスの音色が映える永遠の名曲です。この曲を皮切りに、映画の基本トーンを表す「今宵を楽しく」、トランペットが切ない夜更けのジャズ「ロイヤル・ブルー」などなど、聴きどころが続きます。お洒落に埋め込まれたサンバやマンボなどのラテン・フレイバーが強く、管楽器が歌う夢のような時間が過ぎていきます。サントラを聴いている限り、美男美女が入り乱れるお洒落なシーンばかりが思い出され、クルーゾー警部の出番がありません。それで結構です。この作品にはヘンリー・マンシーニの極上のラウンジ・ミュージックが詰めこまれています。ほのかなラテン・フレイバーで管楽器や弦楽器が歌いあげる音楽はマンシーニの真骨頂をこれでもかと見せつけてくれます。カクテルの似合う音楽です。

The Pink Panther / Henry Mancini (1963 RCA)