montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ジェスロ・タル アクアラング (2016-6)

f:id:montana_sf16:20230319181027j:image f:id:montana_sf16:20220810170755j:image💿️Aqualung - YouTube

ジェスロ・タルは1989年にグラミー賞に新設されたHR/HM部門で賞に輝いています。彼らにハード・ロックのイメージはなかったので驚いたものですが、このアルバムのタイトル曲や「クロス・アイド・マリー」などを聴いているとなるほどなと思います。この作品はジェスロ・タルの4枚目の作品にして最高傑作の誉れ高い作品です。いや、まあ最高傑作賞の票は割れていますし、イアン・アンダーソン本人は「できの悪い作品ではない、という意味でほっとしている程度なんだ」と言ったりしてもいます。しかし、最高傑作の座を争っている後の「ジェラルドの汚れなき世界」や「パッション・プレイ」がアルバム全体が1曲という構成になっていたのに対し、こちらは普通に11曲入りですから、ラジオ・フレンドリーなのは断然こちら。思い入れのある人が多いはずです。しかもヘビーなギター・リフが印象的なタイトル曲や、後にアイアン・メイデンがカバーする「クロス・アイド・マリー」、ライヴの定番となる「蒸気機関車のあえぎ」とハード・ロック的な名曲が目白押しなわけですから、このアルバムの人気が衰えないのも頷けます。さて、前作が大きなヒットとなって、ノリに乗っていたジェスロ・タルでしたが、ベースのグレン・コーニックが脱退してしまいました。グレンは先に脱退したミック・アブラハムのバンドに参加することになりますから、まあここまで我慢したということなのでしょう。代わりに加入したのはジェフリー・ハモンドです。ジェフリーはアンダーソンとは高校時代からの知り合いで、彼と共に本作から正式に加入したジョン・エヴァンのバンドで演奏していました。だんだんアンダーソンの若い頃からのお友達が増えていきます。面白いことにアンダーソンはこれまでの3枚のアルバムに必ずジェフリーを題材にした曲を1曲入れています。そのラヴ・コールが実っての加入ということになるでしょうか。それほど目立つプレイではありませんが、さすがにアンサンブルはばっちりです。

f:id:montana_sf16:20220810170737j:image f:id:montana_sf16:20220810170839j:image f:id:montana_sf16:20220810170912j:image 
f:id:montana_sf16:20220810170927j:image f:id:montana_sf16:20220810170937j:image🎦Jethro Tull - Aqualung (live in London 1977) - YouTube

🎦Jethro Tull - Aqualung (Ian Anderson Plays The Orchestral Jethro Tull) - YouTube

ギターは変わらずマーティン・バーです。本作品はアンダーソンの世界全開ですけれど、バーのギターはかなり目立っています。その力強いプレイはこのアルバムを大きく盛り上げています。ハード・ロック・ファンも納得でしょう。本作品で展開されるアンダーソン・ワールドは多分に宗教的な匂いがします。社会を掘り下げていくと宗教観が色濃くでてくるようです。しかし、キリスト教国のアーティストによる宗教観は仏教派の自分には理解しがたいのが難点です。ま、ここは雰囲気を味わいましょう。アンダーソンのフルートも堂に入ったものですし、クライヴ・バンカーのはきはきしたドラムも素晴らしいです。真面目に正面からロックに取り組んだアルバムとして際立っており、その息苦しいまでの真面目さを楽しむアルバムなのだと思います。アルバムは英国では4位、米国でも7位と大ヒットを記録し、これまでに700万枚と彼らのアルバムの中では最大のヒットとなりました。タイトル曲はロック・クラシックとして今でも人気がありますし、ジェスロ・タルの名前を不朽のものとしたアルバムと言えると思います。

Aqualung / Jethro Tull (1971 Chrysalis)