montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

PFM 甦る世界 (2013―7)

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🎦PFM The World Became The World - YouTube

最も始末に困る種類の変形ジャケットです。真ん中がくりぬけるようになっています。それを山状に組み立てて、海に見立てたジャケットに立てて三次元の風景を現出させる趣向です。幼児向け雑誌の豪華10大付録のような趣向ですが、どうやって保存することを想定していたのか、それが聞きたい。組み立てた人、いるんですかね。。🤔 この作品は、自分の中では前作「幻の映像」とセットになっています。二枚組と考えても良いほどに、続けて聴いていました。何なんでしょう、つまり感動成分が欲しかったんでしょ-ネ。そういうワケで意地でも感動してやるぞと思って聴きました。そして、確かに前作に比べると完成度は高いです。やはり前作はリメイクですから、一曲一曲は素晴らしい曲であったとしても、アルバムとしてのまとまりは、この入魂のアルバムには劣ると言わざるを得ません。世界進出第二弾として、メンバーは落ち着いてロンドンでの録音に臨んだものと思います。少々ややこしいですが、この作品には英語盤とイタリア語盤の二種類が存在します。いずれも同時期に制作されたもので、前作と同じくピート・シンフィールドの英語詞を使ったバージョンと、メンバーによるイタリア語詞を使ったバージョンの二種類です。訳詩ということでもないようなのが面白いところです。

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f:id:montana_sf16:20230321061336j:image f:id:montana_sf16:20230321061457j:image🎦PFM - The World Became The World - YouTube

英語盤には、彼らのデビュー曲のリメイクが含まれていて、1曲多い構成になっています。その曲が英語盤アルバムのタイトルとなっているのも面白いですね。いい詩が書けたんでしょう。♪ザ・ワールド・ビケイム・ザ・ワーールド♪のラインは確かに見事に決まっています。サウンドは見事にプログレッシブ・ロックの王道サウンドです。フラヴィオ・プレーモリのメロトロンやマウロ・パガーニのヴァイオリンやフルートなどは、とてもプログレ的な仕掛けですが、それが見事に効果を発揮しています。最初から最後までプログレの定義のような作品です。PFMは、と言いますか、イタリアン・ロックは全体にアングロ・サクソンとはリズム感覚が微妙に違います。そしてそれはより日本に近い感覚です。紙ジャケ復刻盤で解説を書いている片山伸さんに言わせれば、民謡に近いということです。日本人にはとても聴きやすい音であることは間違いありません。そういうわけで、日本でもこの当時PFMは大いに話題になりました。話題になった挙句、1975年に日本公演まで実現しています。売れたとは言ってもたかが知れているわけですから、これは異例のことだったと思います。ちなみに2回目の日本公演は2002年です。感動的な話ですね。片山伸さんと言えば、日本ではイタリアン・ロックの第一人者、大権威です。彼のインフォーマティブでありながら、愛に溢れる解説はとても気持ちの良いもので、日本でのイタリアン・ロックの人気に大いに貢献していると思います。自分も知識の大半は彼経由です。前作に比べれば完成度も高く、結構好きですが、実は前作のぎこちなさの方により愛着を覚えてます。。🤔