montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ローリング・ストーンズ アウト・オブ・アワ・ヘッズ(US)(2016―12)

f:id:montana_sf16:20230527080226j:image f:id:montana_sf16:20230527080243j:image♫ 👅 The Rolling Stones - Out Of Our Heads (US) (1965) 🎸 full album - YouTube

🎦The Rolling Stones - (I Can't Get No) Satisfaction (Official Lyric Video) - YouTube

ローリング・ストーンズの米国での4作目です。2か月遅れで発表されることになる英国盤とは随分違う選曲になっています。英米両国盤の最大の違いは、米国盤がシングル・ヒット曲を含めることで売上を期待していることにあります。ストーンズ自身はファンに二度買いをさせたくない一心で、シングルを含めない構成を貫いていましたから、英国盤にはそれが反映されています。変なところにストイックな人たちです。おかげで後にこうして同じようなアルバムを複数買う羽目になってしまいました。「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」の米国盤には何といっても「サティスファクション」が含まれています。これがアルバム最大の目玉であることは間違いありません。つまり、このアルバムの通称は「サティスファクションが入っているアルバム」でしょう。この時期、ストーンズはロンドンのスタジオでも録音していましたが、この作品ではシカゴのチェス・スタジオとハリウッドのRCAスタジオで録音された曲が全12曲中11曲、残る1曲はロンドンでのライブ録音で構成されています。米国盤にふさわしい構成です。カバー曲は今回は5曲と半数以下になりました。オリジナル曲に対して自信がついてきた証拠です。これは「ザ・ラスト・タイム」によるところ大です。キースは「ストーンズのために曲を書くことを考える橋渡しになったのが『ザ・ラスト・タイム』だった」と語っています。「バンドが演奏するのにふさわしいと思える、最初の曲を作り出す下地になってくれたのが『ザ・ラスト・タイム』だった」とも言っています。

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🎦The Rolling Stones "Satisfaction" Live 1965 (Reelin' In The Years Archives) - YouTube

ミックとキースが曲作りに開眼したと言える曲なわけです。確かにこれまでのオリジナルとは一味違う充実ぶりです。「おかげでそれなりの自信ができたし、曲を書く方法も見えてきて、やっと試合に参加できるようになった」二人が次に放った大ヒット曲が、今でもストーンズを紹介するときにバックで流される「サティスファクション」です。こんな大ヒット曲をLPに入れないわけにはいかないと考えるのが米国人。そのかいあって、このLPは初めての全米1位を獲得しています。結局は、こういう作りの方が主流になっていきますから、妙にストイックにならなくてもよかったのではないかとも思われます。しかし、実際にアルバムを通して聴いてみると、「ザ・ラスト・タイム」と「サティスファクション」が寂しげに聞こえます。何だか周囲から浮いているんです。もちろん素晴らしい曲なのですが、どことなく居心地が悪そうです。むしろ、ほかのオリジナル曲の方がアルバムの中ではしっくり来ています。オーティス・レディングサム・クックなどのソウル・レジェンドのカバーと同居して違和感がない。アルバムというのは面白いものです。やはりストーンズのこだわりは正しかったのでしょう。ところでマーヴィン・ゲイのカバー「ヒッチ・ハイク」のギターによるイントロは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「ゼア・シー・ゴーズ・アゲイン」にそっくりです。もちろんヴェルヴェッツの方が後ですけど。。🤔 ルー・リードストーンズ、面白いつながりです。

Out Of Our Heads (US) / The Rolling Stones (1965 London)

参照:「ローリング・ストーンズを聴け」中山康樹