montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ チェイシング・イエスタディ(2015-5)

f:id:montana_sf16:20230529134229j:image
Chasing Yesterday - YouTube

ノエル・ギャラガーは、アルバム発表直後に来日公演を行っています。チケットは即日完売、追加公演も行われるなど、オアシス以来相変わらず日本でも人気が高いです。アルバムもトップ10に入りました。前作から3年半ぶりに発表されたセカンド・アルバムです。今回は、ノエル初のセルフ・プロデュース作品ということで気合が入っています。今作は「かつてないほど多種多様なサウンド」を取り入れた作品だというのが制作サイドの発表です。次は実験的な作品になる、と前作発表時に予告されていましたから、それを意識したのでしょう。「ウエストコーストロックからクラシックロック、果ては『スペース・ジャズ』といったそれぞれ全く異なる要素を取り込んだ」とされています。ノエル本人も、『何だこれ?アイツぶっ飛んでるぞ』って思わせる曲があると嬉しそうに語っています。ノエルは比較的こういうことを言わない人ですから、相当野心的な作品であると考えていることが分かります。しかし、ここまで引っ張っておいてから、CDをかけてみると、いきなりオアシスの名曲「ワンダーウォール」を思わせるイントロで始まります。「リバーマン」です。構えて聴いてみましたが、ここでまずはほっとします。いつものノエルです。ただし、「リバーマン」には、本人の予告通り、確かにサックスのソロが入ります。「ジャズ」です。それでは「スペース」はどこにあるかというと、これはメロトロンのサウンドではないかと思います。これが「スペース・ジャズ」の正体ではないでしょうか。

f:id:montana_sf16:20230529130736j:image f:id:montana_sf16:20230529130755j:image 
f:id:montana_sf16:20230529131959j:image f:id:montana_sf16:20230529133040j:image f:id:montana_sf16:20230529132044j:image
🎦Noel Gallagher’s High Flying Birds - While The Song Remains The Same (Lyric Video) - YouTube

これまでのノエル作品との最大の違いは、メロトロンの大活躍です。前から使っていましたが、今回はノエルと主力メンバーのポール・ステイシーにメロトロンのクレジットがあります。彼のサウンドを特徴づけるウォール・オブ・サウンドをギターではなくメロトロンが担っています。最初のシングル曲となった2曲目以降も、充実したキャッチーなメロディーの曲が並んでいます。どの曲もしっかりしたメロディー・ラインのノエル節が炸裂しています。この人は何でこんなにいい曲が書けるんでしょう。心底、感心いたします。確かに、制作サイドの言う通り、いつもよりはバラエティー豊かです。テクノ・デュオのアモルファス・アンドロギュノスが共同プロデュースを務めた2曲はとりわけ変わっています。「ライト・スタッフ」のサウンドの広がり、クラプトンの「コカイン」を思わせる「ザ・メキシカン」。2曲目のシングル「バラード・オブ・マイティー・アイ」にはザ・スミスジョニー・マーがギターで参加しています。それに前作とは違って、ギター他でポール・ステイシーが全面的に参加しています。それも音の表情に彩りを添えています。しかし、いろいろと言ってはみても、振れ幅は「ぶっ飛んでいる」ほどは大きくありません。安心して聴けるノエル・ギャラガーの作品がまた一つ増えたという嬉しい事実が積み重なりました。今回も一緒に歌いながら聴けるカッコいい作品です。ホント毎年出してほしいです。