montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ローリング・ストーンズ スティール・ウィールズ(2016―8)

f:id:montana_sf16:20230703062407j:image🎦Steel Wheels (Remastered 2009) - YouTube

驚きました。なんとなくストーンズはもう解散するものだとばかり思っていた私たちに、このアルバムが届けられた時には本当に驚いたものです。不仲を絵に描いたような前作から3年、メンバーはソロ活動に勤しみ、人々の頭の中ではストーンズ安楽死しようとしていました。
リアルタイムで買ったCDでは、日本を代表するストーンズ・フリークたちの大はしゃぎしているライナーノーツが付属しています。それほどの事件でした。おまけに、このアルバムのツアーでは初来日までしてしまいます。ストーンズ祭りがここ日本でも執り行われました。恐らくはミック・ジャガーキース・リチャーズそれぞれのソロ活動を通じて、二人がストーンズの大きさに気が付いたのでしょう。一人ではストーンズの高みには到達できないことを思い知らされたのではないでしょうか。かつて、ミックとキースの二人は、お互いが全く別々に同じ曲の構想を練っていたことが分かって驚いたことが何度もあったそうです。これこそがストーンズの魔法です。このアルバムではその魔法が復活しました。二人が一緒に曲を作り5人が演奏する。久しぶりに行われたそんな当たり前のことがこの傑作を生みました。ミックとキースに加えてプロデューサーはクリス・キムゼイが再び起用され、前作や前々作には欠けていた、ストーンズらしさがてんこ盛りです。~続⤵️

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f:id:montana_sf16:20230703104458j:image f:id:montana_sf16:20230703104511j:image f:id:montana_sf16:20230703104540j:image🎦The Rolling Stones - Rock And A Hard Place - OFFICIAL PROMO - YouTube

音はしっかり同時代仕様なのですが、新しいサウンドストーンズ風に解釈したというよりも、ストーンズサウンドが同時代仕様になった感覚です。昔のグルーヴそのままではありませんが、紛れもなくストーンズサウンドであると断言できます。キースとロン・ウッドのギターはミック・テイラー的な流麗路線もありますし、キースに至ってはクラシック・ギターも披露しています。かなり様相が異なるのですが、これもストーンズサウンドの自然な延長にある気がしてしまいます。新婚旅行のせいでビル・ワイマンが一部参加していないものの、チャーリー・ワッツの若返ったと言われたドラムとのコンビは、これも80年代仕様でありながら、十分にストーンズらしいグルーヴです。カッコいいです。冒頭の「サッド・サッド・サッド」の溌剌感から続くのは、先行シングルの「ミックスト・エモーションズ」で、ミックとキースのかつての仲違いを歌にしています。ポップな展開がお気に召さない向きもありましたが、そこも含めてストーンズらしい強力なチューンです。さらにディスコ的な「テリファイング」や、最強のキラー・チューン「ロック・アンド・ア・ハード・プレイス」、キースが歌う「オールモスト・ヒア・ユー・サイ」など聴きどころ満載です。久しぶりに捨て曲なしの大充実作です。ここのところの活動はこの作品を際立たせるためにありました。話題となったのは、ブライアン・ジョーンズの遺作となったモロッコのジュジュカを使った「コンチネンタル・ドリフト」です。こういうごった煮感覚もストーンズらしいです。ジャケットを除くと、文句なく80年代ストーンズの最高傑作であろうと思います。
 Steel Wheels / The Rolling Stones (1989 Rolling Stones)