montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ユーライア・ヒープ 対自核 (2018―2)

f:id:montana_sf16:20211121193157j:image💿️♫ ❤️ Uriah Heep - Look At Yourself (1971) 🎸 full album - YouTube

👆️写真ではわかりにくいですけど、このジャケットの中心部は銀紙仕様の鏡になっています。原題の「自分を見つめよ」をそのまんまジャケットで表現しています。どれだけの人がまじまじと自分の顔を見つめたことでしょう。もわーっと写って七難隠してしまってますが…🤭 この作品は傑作邦題選があれば必ず入っているであろう名作「対自核」です。対自はサルトルの「存在と無」で流行った実存主義用語から採られたとする説が有力です。アルバム中の楽曲にはカント倫理学でよく使われる「当為」が当てられていますから。ま、ほぼ正解でしょう。アルバムが発表された1971年当時、日本は学生運動直後の時代です。若者の間では哲学は身近なものでした。つまりロックも哲学として聴かれていた側面があったように思います。決してファッションばかりではない。とはいえ自分らよりも少し上の世代なので渦中にいたわけではありませんが…。この作品はブリティッシュハード・ロックユーライア・ヒープの3枚目のアルバムで、彼らの出世作です。それほど高位ではありませんが、ともかく初めて英国でチャートインしました。彼らの活動はその後も続きますが、ぶっちゃけ知名度はこれが断トツです。

f:id:montana_sf16:20211121195449j:image f:id:montana_sf16:20220129100115j:image f:id:montana_sf16:20220129100143j:image🎦Uriah Heep - Look At Yourself (Live 1973) - YouTube

🎦URIAH HEEP JULY MORNING 1972 - YouTube

ユーライア・ヒープは1970年に結成されたハード・ロック・バンドです。デヴィッド・バイロンのボーカル、ミック・ボックスのギター、ケン・ヘンズレーのオルガンが中心です。リズム・セクションがずっとぐずぐずと入れ替わっていたのがこのバンドの特徴でもあります。マネジメントはブロンズ・レコードを立ち上げたジェリー・ブロンが担当しており、彼の辣腕がバンドのデビューに大きな力となりました。しかし、最初の2枚はオーケストラも使った力作でしたがさっぱり売れず、ハード・ロックを極めた本作でようやくブレイクを果たしました。HR/HMの方々はユーライア・ヒープを紹介する際、何とも歯切れが悪い。この世界は体育会的で序列をはっきりさせたがる傾向があります。つまりこの時期ならレッド・ツェッペリン横綱、ディープ・パープル、ブラック・サバス大関ユーライア・ヒープは前頭扱いです。関取だからそれでも十分だと思うのですが、どこか後ろめたそうです。英米でも状況は似たり寄ったりで、ユーライア・ヒープは何となく軽く扱われています。しかし、そもそも音楽の世界に序列は似合いません。「前頭」。←結構ではないッスか…😕/💨

f:id:montana_sf16:20220129100219j:image f:id:montana_sf16:20230824124209j:image
 f:id:montana_sf16:20220129100230j:image

この作品は英国よりもむしろ日本でこそ大いに受けました。英国では39位なのに日本では5位ですし、4か月以上もチャートインしています。日本受けする要素が満載なハード・ロックのアルバムですから当然です。「対自核」はヘンズレーのオルガンが活躍するドライブ感の強いハード・ロックですし、アルバム中最も美しい「七月の朝」は泣きのメロディーが炸裂するとても美しいプログレ的な大作です。どちらもブルース的でないところが歌謡曲的でもあります。金切声まで落ち着いたデヴィッド・バイロンのボーカルが、プログレ的なヘンズレーの曲とあいまって、日本人好みの緻密な世界を完成させています。この作品で、ユーライア・ヒープは四大ハード・ロック・バンドのひとつ。と、日本だけで言われるようになりました。😅

Look At Yourself / Uriah Heep (1971 Bronze)