🎦Prince & The Revolution - When Doves Cry (Official Music Video) - YouTube
プリンス先生の大ブレイク作品です。アメリカだけで1300万枚を売り上げた怪物アルバムです。ビルボードでは24週間にわたって1位を記録しました。万人向けのキャラクターの人ではないことを考えるとまことに凄いことだと言わなければなりません。自分にとって初めて買ったプリンスのアルバムです。そのせいもあって、「1999」までのプリンスはプリンス前史、ここからリアルタイムで買っていた「ラブセクシー」あたりまでが全盛期となります。自分史に引き寄せるわけではありませんけど、一般にそんな認識ではないでしょうか。大いに売れただけに、それまでのコアなプリンス・ファンからはあまり評判の良くないアルバムです。特に日本ではその傾向が強いです。コマーシャルに流れたということだったと思います。プリンスにも原理主義があったわけです。言わばモータウン時代のマイケルファンに重なります。自分はそれほどコアなプリンス・ファンではなかったものですから、このアルバムは大好きです。前作に比べると格段にきらびやかなサウンドになりました。ところどころバンドのサウンドになっていますし、何よりもポップです。極度に実験的なのにポップ。これは訴求力があります。それにジミヘンを意識したと言われるギターも素敵です。ファンクでロックでR&Bで、ヘビメタ。それでいてとてもコマーシャルというもの凄いアルバムです。
🎦Prince - Purple Rain live at Super Bowl XLI HD - YouTube
プリンスのこの作品を聴いて、映画を観て、「カッコよさ」というものの基準の変更を余儀なくされました。つまり、濃ゆい黒人のかっこよさというものには、それまできちんと向き合えていなかったと思います。プリンスがいなかったら、ジェームズ・ブラウンのかっこよさは未だに理解できないままだったかもしれません。プリンスはそこまでディープな黒人的な魅力というわけではありませんけど、ちょうど橋渡し役としてはうってつけだと思います。それと「ビートに抱かれて」。ベースのないこの単純なリズムとメロディーなのにかっこいい曲。当時、ありとあらゆる変な音楽を聴いていましたから、こんな曲が全米1位になるということが、自分の中で、アメリカ人の音楽観というものに対する理解を根底から覆しました。ただ、レディオヘッドの「キッドA」が、全米初登場1位になった時には同じ感慨をもちました。それはまた全米チャートの在り方がまたここから大きく変化したことの証左だと思いました。両者に共通しているのは、普通じゃないということだけです。ともかく、このアルバムでプリンスはスーパースターとなりました。スティービー・ワンダーやマイケル・ジャクソンと肩を並べたわけです。前史も際立っていただけに、一発屋ではないことはすでに証明されていたこの人の動向から目が離せなくなりました。それは当時の多くの音楽評論家の皆様も同じことで、今野雄二さんや渋谷陽一さんなどが代表格でした。ロック畑の人々が大いに注目したアーティストということでも際立った存在でした。何とも凄い人です。
Purple Rain / Prince & The Revolution (1984 Warner Brothers)