montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

T.レックス ザ・スライダー (2011―10)

f:id:montana_sf16:20220930082057j:image f:id:montana_sf16:20220930093814j:image💿️T. Rex - The Slider Album - YouTube

T.レックスもこれが7作目となりました。ついうっかりしていましたが、「電気の武者」を掲載した日はマーク・ボランのお誕生日でした。ノーチェックでした。残念。このアルバムを初めて聴いたのは小学生の頃でした。もちろん自分で買ったわけではありません、洋楽のレコードを何枚も持っていた早熟な友だちの家に遊びに行った時に、かけてくれたのが、これとジョン・レノンの「イマジン」でした。そしてその日のうちにもしや?🤔と思い、帰宅してから探してみましたら、やはり我が家にもありました。ま、当然ながら、兄の所有物なんですけどwww😝。さて、あらためてじっくり聴いてみると、ジョン・レノンの方は、素直に「ほーっ」と思ったのですが、T.レックスの方は、強烈に変だと思ったのを覚えてます。確かにカッコいいことはカッコいいんですが、まだまだ初心者だった自分にはこれを消化するのに時間がかかったので結局、サイモンとガーファンクルなどを聴くことになります。ま、正直だったんでしょうネ。無理に背伸びもせずにT.レックスだったら自慢できたのに残念です。変と言えば、近田春夫氏はT.レックスのことを、「ボランの自然な不自然さ、不思議さ、新しさ」と題して評論を書いています。決して作られたものじゃない天然の変。それがT.レックスの魅力なのでしょう。

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🎦T. Rex - Metal Guru 1972 - YouTube   🎦Telegram Sam (Official Music Video) - YouTube

「ザ・スライダー」は1位の座を逃しはしたものの英国では大いに売れました。彼らに熱狂するファンが激増し、Tレクスタシーという造語を生んで、社会現象にまでなりました。当時のビデオを見てみますと、その熱狂ぶりの一端が分かるというものです。米国でもT.レックスのアルバムとしては最大のヒットとなりました。プロデューサーのトニー・ヴィスコンティはちょうどデヴィッド・ボウイも手掛けていて、こちらもまた絶頂を迎えています。ストリングスのアレンジメントを担当していますが、これもまたノリにノッています。フロー&エディーのコーラスも恐らく彼らの最高の出来でしょう。また、「メタル・グルー」と「テレグラム・サム」の二曲はT.レックスの代表曲として今も人気が高い名曲です。ボラン・ブギーという彼ら独特のサウンドは決して他の人が真似できるものではありません。そうしたブギー調の曲にまじって、「スペースボールリコシェ」や「ザ・スライダー」などのスローな曲の魅力が輝いています。こちらに顕著なんですが、妖精やエルフの世界の住人だったマーク・ボランが汚い俗世に降りてきて、傷付きながらも一生懸命に生きている、そんな透明な物悲しさがキラキラ輝いています。ジャケット写真のクレジットはリンゴ・スターになっていますが、どうやらトニー・ヴィスコンティのものらしいです。いずれにしても、これまたロック史に残る名ジャケットです。世代間を問わず多くの人にとって宝物となっている素敵なアルバムです。

The Slider / T. Rex (1972 T.Rex Wax)

参照:「ロック・エンド」阿木譲工作舎