💿️Houses of the Holy (Deluxe Edition) - YouTube
ツェッペリンの5作目は前作同様ジャケットには一切文字がありません。しかし、レコードを入れる内袋にはツェッペリン史上初めて全曲の歌詞が印刷されており、さらにアルバムにつけられたタイトルが書かれています。タイトルがついたのも初めてのことでした。前作から1年半の間をあけて満を持して発表されたことからわかる通り、ツェッペリンは横綱らしくじっくり制作に取り組みました。広瀬和生さんのライナーによれば、彼らは「アルバムが出来上がってから初めて発売日を考えてくれ」という態度に出ていたということです。結果はこれまた全米1位となり、39週間も40位以内に留まるヒットとなりました。そして、確かこの作品の辺りから、ツェッペリンの本当の凄さがわかってきました。それは新作が発表されると旧譜もトップ100位に顔を出すという恐ろしい売れ方をしていたことを懐かしく思い出します。そんなバンドは他にはなかったと思います。つまり後追い世代である自分らどころかリアルタイムで聴き始めた世代でさえ、前作を聴きたくなると言う、まさに横綱です。ジャケットは発売前に色合いが気に入らないとかトラブルがあったそうですが、ヒプノシスの素晴らしいデザインで実に神秘的です。夕焼けのようなオレンジ色ですが、内ジャケは早朝か薄暮の空の下で男が少女を生贄に捧げています。そいえば、ジミー・ペイジさんはオカルトにハマっていたと言われていました。
この作品は、初めてタイトルがついたことからも分かる通り、少しポップになりました。冒頭の「永遠の詩」はドライブするギター・リフに導かれたハード・ロックな曲ですけど、これまでに比べるとどこかポップな風情があります。続けて演奏される「レイン・ソング」はアコースティックなタッチで始まり、少し「天国への階段」を想起させます。ロバート・プラントさんのねっとりとした歌い方が大変色気があって良いです。しかし、これもトラッドに近いものの、ポップな展開です。ポップと言えばB面の方が凄いです。何と言っても日本ではシングル・カットされた「デイジャ・メイク・ハー」、これはレゲエ調で、タイトルは「ジャマイカ」と発音できるそうで、そう読めばよかったのですが、先の邦題だとハード・ロックを連想しますよネ。こんなにポップな曲が入っているにも関わらず、特にツェッペリンらしくないとの評はなかったように記憶しています。どちらかと言えば、3作目のトラッド的展開よりもこちらの方が意外な感じがするのですが、横綱には文句は言えないということでしょうか。それともそんなふーに感じてるのは自分だけでしょうか?🤔
🎦Led Zeppelin - No Quarter (Live at Madison Square Garden 1973) - YouTube
アルバム中の白眉とも言うべき「ノー・クウォーター」は、アレンジに凝った楽曲で、ポップという感じではありません。しかし、この曲ですら、これまでの作品に比べると心なしか明るいですし、リスナーをより意識している感じがします。全体に明るさとポップさを取り入れた身近な感じのアルバムです。横綱巡業ならぬ怒涛のライブ中心の音楽生活がこのような作品を必要としたんでしょうネ。ところでアルバム・タイトルとなった曲「聖なる館」は録音されましたが、ここには収録されず、次のアルバムに収められています。さすが横綱、誰も文句は言いません ハイ😔💦、我が道を行くのみです。
Houses of the Holy / Led Zeppelin (1973 Atlantic)
※参考⤵️
レッド・ツェッペリン『聖なる館』:知られざる10の事実 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)